風を読めない空気読めない:eSportsと部活動

  • 2019.06.16 Sunday
  • 10:03

職場で「最近はプロゲーマー目指して部活でやるって動きあるんでしょ?魚住さんゲーム詳しい(?)から聴きたいんだけどあれってどうなのかな?」って風なことを聴かれた。

私はそういう動きに首を傾げてるので、その辺を論じたい。

 


◆ターゲットはどこだ?

 

まずプロゲーマーだとかeSportsだとかという競技性が高いジャンルを大きく捉える前にここを詰めておきたい。

それは国内競技を目指しているのか、或いは国際競技を目指しているのか。

今後一本化されていくかもしれないが、現時点では国内大会と国際大会では大きな認識の隔たりがある。

何故なら国内大会はその辺知ってる人なら分かりやすいけど、国内ゲームベンダーがある意味牛耳っており競技云々よりも利権云々でいかにもビジネスチックな集客傾向を狙っている。

そして国際大会はそれよりも当然規模が大きいが、どちらかと言えば国内のそのような動きと異なり、世界ではまずコンテンツありきであり、私としてもそのコンテンツありきのほうが振興の意味でも適正な活動だと考えている。

学校で部活動としてやるからには、どこを目指しているのかが大きな焦点となる。

 

しかもこれらに相互互換性はない。

何故なら扱うコンテンツがまるっきり違うからだ。

だから後で抜本的な方針転換をするにもそこにまた大きなコストがかかる可能性がある。

ハードウェア的に許容可能なシフトをするというのなら話は別だが、互換性を維持するためには初期投資に多少負担がかかるコストを見積もらなければならない。

 


◆ジャンルはなんだ?

 

一口にeSportsだと言っても、「僕グランツーリスモ(GT)でプロ目指したいです。」って子も居れば、「PC版PUBGでFPS界のトップスクアッドまで昇り詰めたいです。」って大きな野望を抱える子も居る。

はい、ジャンルが全く別々に分かれる。

そしてプラットフォームも違う。

部活動で一丸となって頑張りましょうっていう空気にはならないんだよね。

 

仮にとある高校にeSports同好会なり、eSports部が結成されたとする。

そのeSports部はPUBGを専門としているため、FPSに造詣が深いもしくは興味がある人しか入部してこず、レースゲームや他ジャンルのeSports、プロゲーマーを目指して入部する子に対しての参入障壁が高い。

GTでeSports選手として育ちたい子がその部に入るとすると、それだけでその子専門のコストが発生する。

勿論、PUBGやってる子がGTもやりたいと言わない訳でもないから、完全に専門にはならないだろう。

ただ、ジャンルを絞っておかないと、あと将来性を見越してインフラを整備しないと、一過性の流行的に終わってしまう。

 

話飛ぶけど、漫画同好会/漫画部とかさ、あるわけじゃん?

全員がプロになっていくわけじゃないけど、漫画を描くことが好きでどこかで技術共有をしたいだとか、発表の場を作りたい、制作進行の仕方が具体的に分からないから学びたいとかあるわけやん。

 

誤解なきように言っておくと、私はeSports部ができることに否定的な見方はしたくないの。

先に述べた漫画部みたいにね、今の時代大人もゲームやってたりするわけだし、有ってもいいものだと思うの。

中学では色々ね、コンテンツに対する年齢制限だとか、まだ義務教育の範疇にあるわけでちょっと早いかなと個人的には思う。

 


◆学校側の理解は深いか?

 

公立高では難しいんじゃないかなぁと思う。

生徒の言うことに「そうなの?」って聴いてるような先生では顧問には向かないし、例えばFPSやるにしても(私FPSやったこと自体無いんだけどね)ムーブや部隊展開の仕方をコーチングできる程度の素養はないと、ただただお飾りの顧問になりかねない。

ゲーム自体のニッチな知識やスキルだけではなく、ゲームそのものに対するオタク的理解も要求される。

 

ちょっと想像してみ。

eSports部できた。

学校側が創設を許可したんだけど、顧問になれる先生が60歳超えたA先生しか居なかったのでとりあえず据えられた。

この先生、顧問にするんだけど、ゲームに対する理解が年齢層的に余りにも薄い。

で、部活動やってるとA先生、顧問なのに事あるごとにゲームに対する嫌味や悪口を言う。

要するにA先生としては無理矢理顧問に据えられたけど、折あらばこんな部潰してしまえよ、勉学の邪魔だよくらいにしか考えてない。

ゲームに限らず、こういう部活顧問の先生って実体験的にも居るんだよね。

 

私は高校時代、放送部で放送コンクールに応募したり、学校行事で放送するための準備や進行をしたりとかそういう動きはあったけど、顧問のT先生は放送知識に関しては別に無くて、ただ部活動を管理するだけで付かず離れず、余計なことには口を出さず、シメるところはシメてやってくれてた。

あのくらいの距離感がイイ。

私の中学時代にバスケ部で「屑だ、癌だ」と罵ることに愉悦を覚えていた別のT先生と比べたら随分マシだ。

だいぶだいぶマシだ。

顧問の中には生徒のモチベを下げてしまう遠因になっている先生も居る。

だから、相応に知識をもって、もしくは、顧問になったらゲームだからとバカにせずに予備知識を勉強して興味をもって、部活動の面倒を見てくれる先生が据えられることが望ましい・・・んだけど、そんな先生、今の時代なら居るのかな。

 


◆大きな大きな問題「コスト」

 

多分これが一番大きな問題。

PCならなんでもできるんでしょ?って考えている先生だともうその時点でNG。

eSports部創設にあたって、予算がマトモに付かないからパソコン部からお下がり貰ってきたよ、はいNG。

PCならなんでもできるって思ってる時点で、eSports部は瓦解する。

・・・となると、必要台数の新規購入が必要となる。

創設にかかわる生徒が熱心で、ネゴシエイターで、コミュ力完璧で、生徒会執行部に入って財務担当から予算ぶんどるか財務担当自体に就いて、いやーそんな完璧超人いねぇだろってんなら、eSports部って難しいよね。

 

スタートアップの苦しみってある。

その学校の中で、今までなかった新常識を自らの手で作り上げるんだよ。

それも世の中の流れ的にそうなってるからではなく、自分と自分の仲間が熱望して止まないから、学校側にかけあって部活を作ってもらう、作っただけじゃタダの箱だから予算をぶんどってくる。

 

ちゃんと形ができるまでに3年くらいかかるんじゃないかなぁ。

創設した先輩がたが苦労して勝ち取って満足に部活動の体が整うまでにだいたい3年。

・・・コンテンツ変わっちゃってるよね?3年も経つと。

コンテンツが変わると動作環境の要求スペックも変化するよね。

既に目指したいゲーム自体が変わって、別のゲームに力を入れたい生徒層が出てきても不思議ではない。

 

そうなると、自然とPCは、最初の選択肢から排除される傾向になる。

コンシューマ機なら、寿命的には5年ほど持ってくれるだろうし、PCと比較すると格段にコストが低い。

大体まともな(ゲーミングPC+周辺機器)×必要台数分なんて考えるとそれだけで100万単位の予算見積になる。

文科系部で金額的に数十万でも予算ぶんどってくるの、なかなかムズいでー、部長経験者なら知ってるだろうけどさ。

私は部長経験者じゃないけど生徒会財務やってたから知ってる。

で、だな、この時点でPCでしかプレイできないeSportsジャンルは目標に置いてはいけないことになる。

それはおうちでパパとママに相談して、環境整えてもらってね。

もしくは自分でバイトして稼いで環境整えてねってことになる。

コンシューマ機になったところで、国際大会よりも国内大会ってほうにシフトするんじゃないかなぁ?

そう、大会競技へのエントリーも間口が狭められる。

国際大会を目指して入部してくる子が居なくなる。

だって、国際大会のための練習する時間は家に帰って励んだほうがいいことになるからね。

 


◆プロゲーマーの選手寿命

 

将来を見据えよう。

プロゲーマーって実力が無ければ、いや実力があるのが当然で、金やバックアップの物品を稼げなければプロゲーマーじゃない。

プロなんだし。

 

んで、今見てるYouTube界隈で言うと、そのあたりで一番ヒットしてるのって、元プロゲーマーなKUNさん。

KUNさんってコンテンツの栄枯盛衰で得意分野が廃れた時に自分はどうやって飯を食っていくのか、という課題に直面してプロゲーマーやめて、YouTuberやってるわけよね。ニュアンスは違うかもしんないけど(適当

廃れなくてもよくある話で、飽きた、興味なくした、なんてザラにあるだろう。

プロだと、飽きても興味無くしててもそれが飯の種だからそれで食っていかなきゃなんないよね。

実績や収益が伴わないうち、なんか実例では伴ってても副業してないと食いっぱぐれるくらい。

まだまだ認知度が低いジャンルなので、副業のほうが稼げる、とばかりに最初の情熱が失せて、シフトしていく引退リスクもある。

日本で有名なプロゲーマーさんっていうと梅原さんだけど、あの人もバッキバキに強くて大会はもとよりイベントにも呼ばれたりして凄いけど、かなり稀有な例で完全専業でやっていける日本人のプロゲーマーってあの人くらいしか居ないらしい。

 

KUNさんの実例を見て、プロゲーマーの寿命ってそんなに短いんだなって感じた。

だからeSportsやプロゲーム界を目指すなんて無駄だ、って言いたいわけじゃないよ。

ドラテクを小さい頃からゲームで学んだF1ドライバーだって今は居るんだし。

ウイイレやFIFAで戦術シミュを模索するプロサッカー選手だって居る。

何かしらスキルとして活かせる職業や他スポーツもあるかもしれない。

だからそこにずっと捉われなくても問題ないと思う。

 

むしろKUNさんも言及してるけど、ゲームそのものよりもそれを取り巻く人脈形成とか、そっちも大事にしていかないと、まずもって自分自身の活動の将来性が担保されないので、コミュ力は養われなければならない。

また漫画部の話になるけど、漫画部って漫画部でシコシコ描いてるわけじゃなくて、今の時代、pixivに作品を公開したり、即売会に出品したり、学校外でも交流機会や交流のためのインフラって確保されてるわけだね。

eSportsやプロゲームのクラスタに割って入るとして、どう突入するのか分かんない。

好きでやってりゃ繋がるわけでもなし、そこは気の合う合わないに関わりなく、色んな人と交流ができるインフラを自分が整えていくしかないんだろうと思う。

 


◆まとめ?

 

たかだか2〜3年、ムーヴメントに乗っかって同好会レベルでやるのなら、まぁ妥協して・・・あぁ、スマホでeSportsってのもあるよね。

学校で部活動としてeSportsってのなら、スマホかタブでやるのが適正になるのかなぁ。

そういえばニュースサイトかなんかで、専門学校のプロゲーマー養成科の授業内容がやりたかったことと合ってないという悲鳴を最近読んだね。

そりゃあそうなるだろう、って予想はしてた。

コストはタダにならないのよ。

初期投資は絶対に必要だし、事業として確立しようとしてるってことは、失敗=損失なのだから見込みが不透明なら低予算編成になるのは理解できる。

 

いわんや、部活動をや。

 

思いつくことをかなりざっくりと書いたけど、こうやって見るとeSportsって若手育成のための障壁多いね。

モタスポにも似てるね、参入にあたってコストがかかりすぎるってことね。

 

どうしてもマイナス要因が目立つ書き方になっているので、誤解なきようにもっかいだけ言うけど、私はeSports部が高校にできることについては凄く肯定的に観てる。

 

学校教育レベルから、既に一般に溶け込んでしまったコンピュータゲームというメディアの認知力を高めるという意味でも、日本から世界を目指せるプレイヤーを輩出するって意味でも十分に意義があることだと思う。

これってね、学校側が「他所もやってるからウチも」って学校側主体で動くと絶対失敗するものと思うのよ。

それこそ顧問に就きたい先生がガチゲーマーで、なにかしら画策して、モノになりそうな生徒集めて創部するってんならそれはそれで面白いだろうけども。

行動を起こすなら生徒が同好会から有志を集めて熱意をもって学校に掛け合うしかないよね。

 

個人的には面白い動きだなぁって思ってる。

そんな部が創設されるなら、今この時代に学生として生きていたなら、また違う景色を見てたかもしれない。

プロゲーマーになるならないじゃなくて、部活動選択の幅が広くて、興味の方向が沢山ある環境という意味ね。

 

ただなぁ・・・課題山積みだよなぁってことだけは、今回ここに書いたことで思いつく限り示してみた。

でもさ、Google Stadiaが来たらもしかしたら・・・あるいは!?ってこともあるかもしれぬよ?

 

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